FX(為替)用語のフィクシングとは?

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フィクシングとは? FX(為替)用語についてやさしく解説

為替市況記事を読んでいると、よく「ロンドン・フィクシングでドル売りが強まり・・・」といったコメントを目にします。今週の月曜日も、ロンドン市場が休場だったにもかかわらず、「ロンドン・フィクシングで月末のまとまった円買いフローが持ち込まれ、一時円が全面高・・・」というコメントがあちこちで見られました。「ロンドンが休場なのにロンドン・フィクシング??」と訝る向きも多かったでしょう。

 

ロンドン・フィクシングというのは、民間のWM/ロイターという投資サービス会社が、投資家のポートフォリオ評価のためのベンチマークとして毎日発表している為替レートで、ロンドンの午後4時に、インターバンクで取引されているレートをもとに決定されます。サマータイムだと、日本時間午前0時です。

 

月曜日のように、たとえロンドン市場が休場であっても、どこかの市場が開いている限りは毎日発表されます。また主要通貨だけでなく、ロンドンで取引できる158の通貨のレート(NDF=ノン・デリバラブル・フォワードも含む)を発表しています。

 

WM/ロイターのサイト

http://mpse.jp/tkymail/c.p?12c2bcj1mkH

 

このロンドン・フィクシングがなぜ重要かというと、多くの機関投資家が外貨のポートフォリオを時価評価する際に、このWM/ロイターのレートを参照しているからです。ミューチュアルファンドや投信など公共性の高いファンドでは、評価レートが恣意的であってはなりませんから、WM/ロイターのような第三者が発表するレートを使うことによって「公正に評価していますよ」とアピールしているわけです。WM/ロイターはこれらのデータを世界中の機関投資家に提供することにより、収入を得ています。

 

日本にも「仲値」という制度があり、各銀行が朝10時前にドル円やユーロ円のレートを発表していますが、昔(もう忘れてしまいましたが、10年くらい前まで?)は全銀行が横並びの仲値を採用しており、大手都銀が持ち回りで決めていました。このため、値決め担当の銀行が、自己のポジションやお客の注文の偏りによって、極端にずらした仲値を出してしまい、他の銀行が迷惑するということが多々ありました。こうした事例を踏まえ、現在では仲値は各銀行が好きに決めていいことになっています。

 

欧米の機関投資家は、月末にポートフォリオのリバランス(調整)を行うことが多いので、月末のロンドン・フィクシングの時間帯は大口のフローが集中することがあります。たとえばポートフォリオのベンチマーク(MSCIインデックスなど)が変更されたときなどは、パッシブ系(インデックス追随型)のファンドはそれに従ってポートフォリオを入れ替えねばなりません。また為替レートが大きく動くと、各国資産の時価総額が変動し、ポートフォリオのバランスが変わってしまうため、出過ぎた部分を売ったり、足りなくなった部分を買ったりします。これもなるべく裁量を入れないようにということで、ロンドン・フィクシングを使って行われることが多いのです。

 

またロンドン午後4時に会社で売買できない投資家(日本の機関投資家もそうですが)は、「ロンドン・フィクシングのレートで1000万ユーロ買いたい」というような注文を銀行に出すこともできます。「ロンドン午後4時にアット・ベスト(成り行き)で買いたい」という注文だと、間違いなくロンドンの為替デスクにぼったくられてしまいますが、一言「ロンドン・フィクシングで」と言っておけば、カモにされる心配もありません。ロンドン・フィクシングなら記録も残りますし、裁量や不正がなかったことの証明にもなります。客観性や透明性を重んじる機関投資家にとっては、こういうことがとても大事なのです。

 

こうしてロンドンの午後4時には世界中からフィクシング・レートで取引したい投資家の売買が集中するわけですが、さすがにロンドンは世界の為替市場の中心だけあって、フローが売り買いどちらかに極端に偏ることは稀ですし、意図的に動かしに行こうという不届きな輩も少ないようです。仲値を高くつけたい銀行が無理やり相場を吊り上げようとする日本のフィクシングとは大違いですね。

 

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